世界中でEメールマーケティングが最強の拡販だと言われる理由について

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Yuki Nagahori

Yahtec Japan代表 - 日本語・英語・ドイツ語のトリリンガル。日欧間のウェブマーケティング、経営企画、事業立ち上げ支援担当。

ソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティング、WEBマーケティングなど、微妙に意味の異なる複数のマーケティング手法が乱立する時代ですが、その中でも職種に関わらずこれだけは正確に認識しておいた方が良いというのが “Eメールマーケティング” です。

Eメールマーケティングは、BtoB・BtoCに関わらず超有効で、FacebookやGoogle Adといったその他の媒体の広告と比較しても一番結果を出すやすいマーケティング手法と言い切ることができます。

本稿では、Eメールマーケティングが世界中でそこまで強力な売上拡大の手段になっている理由を徹底解剖します。

Eメールマーケティングとは

Eメールマーケティングとは、リード(見込み客)に対してパーソナライズされたメールを送り、最終的に購買に繋げるマーケティング活動のことです。似たような言葉でメルマガ(メールマガジン)やニュースレターがありますが、それぞれ意味が異なります。

名称媒体コンテンツ開封率
ニュースレター紙・デジタル時事的要素が強い高い
メールマガジンデジタル広告要素が強い低い
Eメールマーケティングデジタル完全パーソナライズ高い

ニュースレターは時事的な要素が強く、その名の通り、ニュースを届けるという目的がメインとなります。つまり広告要素が少ないため、「興味のある分野をフォローをしておきたい」という人が受け取り、それゆえ開封率も高まります。

逆にメールマガジンは、配信者側が売りたい物の広告要素が強まる傾向があり、そのため開封率も下がりがちです。

Eメールマーケティングはこのどちらとも完全に一線を画すもので、登録されている顧客一人ひとりに合わせて適切なコンテンツをメールで送るという手法です。すなわち、ニュースレターやメールマガジンは、相手が誰であろうと同じコンテンツを送るのに対し、Eメールマーケティングは、リードのファネルに沿ったコンテンツを送信するということになります。

Eメールマーケティングが最強と言われる由縁

では、なぜEメールマーケティングがそこまで優秀だと認識されているのでしょうか?一つひとつその背景を紐解いていきましょう。

定量調査による実績が明確

皆さんがよく目にするWEB周りの広告は一体どのようなものがあるでしょうか?すぐにパッと思いつくのは、FacebookやGoogleの広告でしょう。各企業がこぞって力を入れているSNSも重要な広告機能を担っているのは間違いありません。

しかし、各メディアの広告のクリック数、ないしは開封率を比較すると、Eメールマーケティングが群を抜いて高く、如何に効率的なマーケティングなのかが見て取れます。

メディア別クリック率・開封率
参考:Wordstream, Werning, Zweidigital, Databox, Instapage

さらにEコマースの分野で、実際に購買に至った割合を流入別に見てみましょう。こちらでもEメールからの流入が最も購買に繋がっています。

Eコマースの購買率
参考:Growcode

イギリスのデータ・マーケティング社DMAの調査では約200人のマーケターのうち180名がEメールを最も重要なマーケティング戦略ツールだと位置づけています。さらに同調査では、Eメールマーケティング実施時の費用対効果が1€に対し平均42.24€。つまり、4224%のROIを叩き出しているのです。

ユーザー数が多い

アメリカの市場調査会社Radicati Groupのレポートによると、2022年時点で世界のEメールユーザー数が約43億人いて、その数が今後も増え続けると推察しています。

Eメールのユーザー数推移
参考:The Radicati Group, Inc.

また、別の統計データでは社会人が朝起きて真っ先にチェックするのは、ニュースでもソーシャルメディアでもなく、Eメールという驚きの結果が出ています。

朝起きてまずチェックするメディア
参考:Optimonster

加えて、社会人はプライベートよりも仕事のメールを見ている時間の方が圧倒的に長く、プライベートのメールに費やす時間が一日平均2.5時間なのに対し、仕事のメールは3.1時間と言われています(Adobe, E-Mail Usage Study 2019)。

この点においては、日本人にとってはより顕著な差がでるかもしれませんが、世界の統計としても社会人は当たり前のようにEメールを使い、長時間メールのやり取りをしていることになります。

肌感覚では、SNSの存在感が強くなっていますが、統計データに目を配れば、Eメールマーケティングが世界のトレンドであることは疑いようがないわけです。

結論

Eメールマーケティングの効果自体を認識するのも大事ですが、さらに大事なのは、「どのように実施するか」です。冒頭でも説明した通り、メルマガやニュースレターと一線を画すポイントとして、各リードにカスタマイズされた文章を送るのが全ての鍵を握ります。

加えて強調しなければならないのは、Eメールマーケティングさえ実施すれば他の手法は忘れてもいいかと言われると、決してそうではない、という点です。そもそもこの手法が成立する大前提として、十分な量の顧客データ数が確保されていなければなりません。

顧客、本稿で言うところのリードのメールアドレスは、コンテンツマーケティングによって獲得するか、お金で購入するかの二択になります。どちらが良いかはマーケティング業界でも賛否両論ありますが、いずれにせよ「BtoB にコンテンツマーケティングが必要な理由」で紹介した通り、コンテンツマーケティングの重要度もマーケターの中では年々向上しているため、コンテンツマーケティングとEメールマーケティングは同時進行すべき新時代の営業手法となるでしょう。

Eメールマーケティングの正しい実施の仕方についてはこちらの記事を参考にしてください。

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